ザナフィラグとの出逢い

やっぱり自身でお店をつくっていくなら、まずはインテリアに携わるお店から。

インテリアコーディネートを提案するなら、床、壁、天井を彩ることができるものがいいな。
床、壁、天井はお部屋のなかでも面積が大きいので、ガラッとお部屋の印象を変えることができます。

そして、模様替えで一番手軽にできることは、とっておきの“お気に入りの絨毯を敷く”ということ。

世の中にたくさん出まわっているモロッコラグですが、部族によってそれぞれのアイデンティティや異なる想いが込められたたくさんのモロッコラグが受け継がれていることを知りました。


そんななかでビビビッ…!と出会ったのが、プリミティブなデザインが魅力のザナフィラグです。

モダン、ヴィンテージ、ジャパンディなど、個性的なのに様々なテイストに馴染むザナフィラグ。

平織りキリムをベースにしているので、床に敷くだけでなく、壁にタペストリーとして掛けると、アートとして楽しむこともできる万能な絨毯なのです。

「世界の文化の交差点」 ルーツの混在した国、モロッコ

砂漠の国、遊牧民の国。
アフリカ大陸に存在するモロッコ。

イスラム、アラブ、フランス、トルコ、スペイン他、多くの民族が重なっていて影響し合って存在しています。

モロッコ先住民 ベルベル民族の暮らしから生まれた絨毯織りの文化

モロッコラグはアトラス山脈をはじめ、夏でも肌寒い山岳地帯を快適に過ごすために絨毯を手織りしたことが始まりです。

モロッコの複雑な民族文化、伝統を守ってきた先住民族、ベルべル民族。
ベルベル民族は20以上の部族が存在し、現代では遊牧する人もいれば都市に暮らす人もいます。
昔は嫁入り道具として娘にモロッコラグを持たせており、彼女たちは特別な洋裁学校に通うことなく、家事の合間に絨毯を織りあげていくのです。

部族のアイデンティティ、家族の歴史や願いを表現

決まった図案がないザナフィラグ。
キリム織りに描かれた幾何学模様や色には、特別な意味が込められています。

ベルベル民族がつくる絨毯には、部族のアイデンティティや家族の歴史を象徴しています。

また、色やシンボルは、織り手の経験や願いを表現していることがあるそうです。
その伝統的な織り方は、母から子へと代々受け継がれています。

多様性から生まれたザナフィラグ

代表的な菱紋様には、「子孫繁栄」や「家を守る」といった意味が込められており、イスラム圏伝統の建築物パターンを取り入れた異国情緒溢れる格子柄も人気です。

複雑な歴史的背景があるからこそ表現できる、個性的で自由なデザインのザナフィラグ。
プリミティブでアートなデザインは、現代の日本の暮らしにもすっと馴染んでくれます。
たくさんの人たちの想いを丁寧に紡いでいるからこそ、ザナフィラグに魅了されるのです。

ザナフィラグの作り方

1.刈り取った羊毛を綺麗に洗浄、叩いて柔らかくします
2.スピンドルというコマのように回転させながら毛糸を撚って手紡ぎします
3.サフラン、マダー、ヘナなど、周囲の植物の自然の色を使って、丁寧に染め上げ乾燥させます
4.工房で織り機を使って手作業で織り上げていきます
5.しっかりと洗浄と乾燥を繰り返し、1ヶ月以上かけ、やっと1枚のザナフィラグが完成します